2024/02/03 10:05

2023年度のブリード個体と採卵状況について紹介していますが、DorcusNAVIの看板個体である佐賀県神崎郡神埼町(現神埼市)産を紹介する前にそのルーツについてご紹介したいと思います。

福岡県に加えて佐賀県は西日本のオオクワガタのメッカととして有名な産地でしたが、特に神埼産は、現在では野生個体はほぼ採集不可能といえる状況のようです。あの邪馬台国で有名な吉野ヶ里遺跡の近隣のとあるポイントで採集された貴重な野生個体をルーツとしていることから当地への憧れをニックネームにして”あこがれの神埼”と呼んでいます。

”あこがれの神埼”のルーツは古く、現在も懇意にしていただいている採集家の方が、2000年6月に樹液採集した♂55.5mmと同年11月に材採集した♀43.5mmをまで遡ります。その子孫は、かつてむし社の美形オオクワガタコンテストに応募して入賞したこともあります。

【むし社主催 第11回美形オオクワガタ・コンテスト入賞個体】


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ディンプルのないとても綺麗な個体でした。


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実は、DorcusNAVIホームページのトップ画像はこの個体です


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トリプルセブン(体長77.7mm 頭幅26.6mm)


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【掲載誌:むし社BE-KUWA36号】


コンテスト入賞個体の詳細については、DorcusNAVIホームページの掲載メディアコーナでも紹介しています。

その後、個体の健全化を図るために第6回美形オオクワガタコンテストでワンツーフィニッシュを飾った同じく神埼産のRSS血統ブレンドして、ブリードを重ねて来たのが現在の個体群です。

現在ブリードしている系統(バリエーション)は、掲記個体をルーツとしながらも毎年進化をしている個体群となります。いずれもかつて美形コンテストで入賞した個体をルーツとしているだけあって逞しくも美しい個体が毎年羽化してきています。

東日本のオオクワガタのメッカ山梨県韮崎産とは、異なる魅力を持った個体群となります。近年ではコンスタントに♂では80mmを超えて♀も50mmを超える個体が多数羽化しています。

2023シーズンは他産地も増えたことから厳選した4系統に絞り、ブリードしてきました。明日以降4日間に渡ってご紹介していきたいと思います。

(つづく)